卒業生からのメッセージ

坂井歩乃花(旧姓長谷川)

専攻・ゼミ:図書館情報学専攻

卒業年度 :2019年

勤務先  :東洋経済新報社


・今、どんな仕事をやっていますか?

東洋経済新報社に就職し、最初は雑誌やオンラインメディアの広告営業をしていました。その後ジョブローテーションのため異動し、現在はオンラインメディアや書籍、BtoB向けの新サービスのマーケティングのお仕事をしています。

・今の仕事に就くことになったきっかけや理由は?

きっかけは、図書館情報学での学びです。就活では金融業界など他の業界を見ていましたが、授業やゼミを通じてメディアに強い関心を持ち、自分が楽しいと思える仕事がしたかったので、現在の会社を就職先に決めました。中でも自社は広告で収益化しているビジネスモデルで、そのおかげで誰もが良質な記事を無料で読めるようになっており、社会への貢献度が高い広告営業のお仕事に魅力を感じました。入社後もギャップはなく、やりがいのあるお仕事だと思っています。

・あなたにとって図書館情報学専攻とは?

現在の仕事に関心を持ったきっかけという意味で人生のターニングポイントであり、そして、自分の基礎を築いた場所です。特に卒論研究は、まっさらな状態から自分の中にある”なぜ”を追及することができた貴重な機会でした。自分が何に関心があってどういうところに課題感を持っているのかを考えるため、自分自身を知ることが出来ましたし、現在のマーケティングのお仕事でも、課題を見つけることから始まるので学んだことが生きていると感じています。

山下夏輝

卒業年度 :2017年


私は外資系大手人財企業にて自然言語処理に強みを持ったデータサイエンティストとして働いています。主に、人財とお仕事のマッチングエンジン開発を担当しています。やりがいを感じるのは、人と情報における様々な観点を考慮しつつ、テキストデータを含む多種多様な情報に対して、解釈・処理・活用方法を考える、という部分です。
私のお仕事についてイメージが湧くよう、皆さんにひとつ質問してみたいと思います。現在、Chat GPTが話題となっていますが、そのようなAIを社内で活用するため、考えなければならないことはなんでしょうか?少し例を挙げると…

  • 解決したい課題は?
  • 解決手段はAIで適切か?
  • AIに期待する回答は?
  • AIのアルゴリズムは適切か?
  • 受け手にとってAIの回答がもつ意味は?
  • AIモデルを学習させるために必要なデータは?
  • 必要データの収集方法は?処理方法は?管理方法は?
  • 収集・処理・活用方法は法令上・倫理上違反の有無は?
  • etc.
このような様々な視点・分野を横断した問いを立て、答えを導いていくのが私のお仕事です。図書館・情報学専攻で、専門的かつ文理両方の視点から情報について、考え、学ぶことができたことは、とても役立っています。具体的には、文系的な視点では、情報という言葉の含意、人間の記憶・想像と情報の関係、情報を活用する仕組み、情報提供に係る法令や倫理など、理系的な視点では、機械学習、情報探索、自然言語処理などの知識や技術です。
これら図書館・情報学専攻で得られる学びは、私にとってだけでなく、高度情報化社会と言われる現代を生き抜く皆さんにとっても、きっと、興味深く、役に立つものとなることと思います。

中川 紗央里

専攻・ゼミ:図書館情報学専攻 情報管理コース 安形ゼミ

卒業年度 :2014年


私が学生の頃は、国内外で図書館、博物館、美術館などのコレクションのデジタル化の機運が高まり、大規模なデジタルアーカイブやプラットフォームが次々公開された時期でした。世界中の書物や文化財をインターネット上でまとめて検索し閲覧できることは、ワクワクする体験であると同時に大きな衝撃でした。これからの情報の流通方法がどのように変わっていくのか知りたいと思い、図書館・情報学を専攻しました。
在学中は、大学図書館における貴重書デジタルアーカイブの構築状況や技術課題について関心を持ち研究を行いました。情報管理コースでは情報探索や組織化を理論と実践の両面から学ぶことができ、理解をより深めることができたように思います。
現在は国立国会図書館に勤務しており、蔵書のデジタル化業務や電子図書館サービスに係る他機関との連携協力業務に携わっています。SLISで学んだことを活かし、日本の様々な機関が保有する多種多様な資料のメタデータを横断検索できるポータルサイト「ジャパンサーチ」の立ち上げに参加できたことは大変嬉しいことでした。
データ処理技術の向上やコロナ禍以降の社会のデジタルシフトに伴い、デジタル情報資源の利用価値はますます大きくなっています。公共的な情報インフラである図書館として、どのようにデジタル情報資源を提供・活用していくべきか、今後も考え続けていきたいと思っています。

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卒業後の進路