修了生からのメッセージ
西川和
専攻・ゼミ:文学研究科 図書館・情報学専攻 池谷ゼミ(元 田村ゼミ)
修了年度 :2018年後期博士課程 単位取得退学
勤務先 :文教大学・常勤講師
入学前のシステムエンジニアとして顧客の求めるシステムを提供する生活は悪くはありませんでした。しかし、30歳を前にしたときに自分はこれからの人生で何がしたいのかを考えた時に、何か人の知らないことを知りたい、誰も見たことがないものを見てみたいということが脳裏に浮かびました。
そして進学した大学院では、ただ自分が知りたいことを知っていくだけでなく、修士課程では若年の同期たちと切磋琢磨できましたし、博士課程では後輩たちに何が見せられるのかということは常に考えさせられました。情報資源管理分野の社会人の方々が働きながら学問に向かう姿勢にはいろいろなことを教えられました。
退職しての大学生活では職業から離れていることや預金が減っていくことへの不安感はあり、自分の研究をおろそかにして非常勤講師の話に飛びついてしまったこともあります。ただ、そうして得た教歴や、かつてのシステムエンジニアとしての職歴が、就職時に生きる部分もありました。人生に無駄なことはないし、夢を追うのに遅いということはないと思います。ぜひご自身の夢は何かを考えていただければと思います。
青野正太
専攻・ゼミ:図書館情報学専攻 池谷ゼミ
修了年度 :2017年度(修士課程修了)
図書館情報学専攻に入学した頃,私は公共図書館の職員をしておりました。ちょうどこの時図書館員としてのキャリアが5年に達し,今後のキャリアが気になっていた頃でした。また,業務でも図書館運営の改善提案を求められる日々で,個人としても組織人としても行き詰まりを感じていました。
そこで,国内外の論文や事例研究を多く参照し知識を広げるとともに,学んだことを文章にしてまとめるスキルを身につける必要があると考え,大学院に入ることを決めました。夜間・土曜日に授業があること,また私の関心分野であったビジネス支援サービスについて研究を積み重ねられている,池谷のぞみ先生がいらしたことが慶應を選ぶ決め手となりました。
講義で取り上げられたテーマについて,所属館の状況を踏まえてディスカッションする授業は大変刺激的でした。一方,研究の素地がなかった私にとって修士論文の執筆はとても大変で,何度も壁にぶつかりながらもなんとか書き上げました。今思い返しても,池谷先生やゼミの先輩方には相当なご迷惑をおかけしたと思います。ただ,その時に必死に調べ,考え,言葉にしようと努力したこと,またゼミなどの中でお世話になった方々とのつながりは,今でも私にとって大きな糧となっています。
伊勢幸恵
専攻・ゼミ:文学研究科図書館・情報学専攻情報資源管理分野(倉田ゼミ)
修了年度 :2020年度
私は慶應義塾大学文学部図書館・情報学専攻を卒業し、大学図書館職員として6年間の実務を経験した後に大学院に入学しました。大学院に入学した動機は、大学図書館での勤務を通して教育・研究支援に関わる様々な課題に直面したことから、普段の仕事とは異なる視点からそれらの課題解決に向けて考え、研究してみたいと思ったことでした。
大学院の授業やゼミでは、最新の研究動向に触れながら、図書館を取り巻く様々な課題について考える機会があり、先生方や他の大学院生と議論を重ねた時間はとても貴重なものでした。また、修士論文の執筆を通して、国内外の文献から情報を収集すること、一つのテーマについて様々な観点から調べた上で自身の考えをまとめること、データを分析し、得られた結果を論理的に記述すること、などを経験したことは、修了後も社会人として働く上での大きな力になっています。
入学前は働きながら大学院に通うことへの不安もありましたが、指導教員をはじめとした先生方からは限られた時間の中で厳しくも温かくご指導いただき、また家族と職場の理解に恵まれ、修士課程を修了することができました。修士課程で得られた経験や、様々な場で活躍する他の修了生との繋がりは、自身にとって大きな財産となっています。