図書館・情報学専攻とは
図書館・情報学は、日本ではまだ限られた大学でしか開講されていない学問分野です。図書館・情報学は、人間や社会の経験や知識を記録し、伝達し、利用する一連の過程、そこにみられる現象、あるいは技術、制度を研究対象としています。
本専攻は,昭和26(1951)年に「図書館学科」として始まり、昭和43(1968)年に「図書館・情報学科」と改称しましたが、いずれも日本で初めて開設された学科です。平成12(2000)年の文学部学科改組とともに、人文社会学科図書館・情報学系図書館・情報学専攻となりました。
本専攻で取りあげるのは古代の記録から紙、さらに最近の新しい媒体までを含んだ情報メディア、これらの情報メディアに蓄積された情報にアクセスするための情報検索、さらには、情報メディアの収集、提供、保存のための社会的な制度である図書館をはじめとする情報システムであり、それらを様々な観点から取り扱います。
図書館・情報学専攻の教育目標は「情報という角度から問題を見付けて解決できる」人材の養成にあります。また、大学院では、(1)高度な情報専門家の養成と社会人の再教育、(2)図書館・情報学研究者の養成をその目的として掲げ,特に(2)に関しては課程博士の育成に力を注いでいます。
卒業生は大学院を含め現在までに2,500名を数え、図書館や情報関連の分野をはじめとし、幅広い分野で活躍しています。卒業生組織として「SLIS三田会」があります。
また、図書館・情報学研究の面では「三田図書館・情報学会」の母体となっています。
略史

図書館学(Library Science)の研究教育を目的として、日本最初の図書館学科が昭和26(1951)年春に、慶應義塾大学文学部内に、開設されました。開設時には、米国図書館協会から専門的援助を受け、海外からRobert L.Gitler博士(右の写真)をはじめとする訪問教授を招いて発足しました。その後、学科の運営が軌道にのり、順調な発展を示すに従って訪問教授は減り、昭和31(1956)年には全員が日本人教員となりました。
昭和41(1966)年には創立15年を迎え、これを機会とし図書館学の発展に対応した研究教育体制とするために、翌昭和42(1967)年度からに情報学に重点を置いた大学院修士課程「図書館・情報学専攻」を開設しました。さらに、学部課程のカリキュラムを改訂し、学科の名称を「図書館・情報学科」と改めました。そして、より高度の研究者、教育者、専門職を育成するために、図書館・情報学博士課程が昭和50(1975)年4月に開設されました。この後、何度かのカリキュラム改訂を経て、平成5(1993)年からは、図書館、情報メディア、情報検索(現在は情報管理)の三つの(サブ)コースを導入した新しいカリキュラムを実施に移しました。
平成13(2001)年には創立50年を迎え、祝賀式典と祝賀会を行いました。
平成16(2004)年には、大学院の図書館・情報学専攻に、現職者の再教育を目的とした「情報資源管理」分野を設けました。
令和8(2026)年には創立75年を迎えます。